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男のロマン-希代の魔術師 11

 数日後、コータル王子とフローリア姫の成婚式が国を挙げて行われた。そして、国中がそのロイヤルウエディングに酔いしれた。
 ただ、セルディオ家では、今まで、研究バカだと思っていた三男に突然現れた『結婚しようと思う女性』に上を下への大騒ぎになっていたのだが。
 かのお相手が息子より12歳も年下で、隣国の王女だと聞いたとき、母は夢の世界に逃げ込んでしまいたい衝動に駆られた。
 それを何とか堪えた彼女は深いため息をつくと、急いで侍女に非常に苦いお茶を入れさせ、それ一気に呷ると、大急ぎで仕立屋を呼びつけて、突然出席することになった未来の嫁(仮)の成婚式のためのドレスを3日も経たずに仕立てさせて、エリーサに送ったのだった。
 
 そして、ビクトールがエリーサを連れてガッシュタルトに戻る日が来た。
 ビクトールは幸太郎からもらい受けた、彼が言うところの『ポンコツ』のボンネットの部分に、木彫りの馬の人形を取り付けた。で、こそこそと何やら呪文を唱えている。
「ビク、なにしてるの?」
「あ、これですか? このままでは悪目立ちしますからね、この馬が本物に見える魔法をかけたんですよ。これで道行く人々は私たちが馬車に乗っていると思い込むでしょう」
それを聞いてエリーサは、ホッとした。幸太郎の運転の時には幸いにもあまり人に出くわさなかったが、ものすごいスピードで走る異形の乗り物に、見たものは腰を抜かさんばかりの驚きようだったからである。もっとも、幸太郎は日本の一般道で同じ走りをすれば間違いなく捕まる速度で走っていたのではあるが、そんなことをエリーサは知る由もない。
 しかし、よくよく考えてみれば、魔法を施してまで車に乗らずとも通常の馬車に乗ればいいことだ。エリーサはビクトールにそのことを聞いてみる。
「馬にも牛にも牽かれないで走るんですよ。それも、ドラゴンのような速度で」
これは乗るしかないでしょう! ビクトールはそれに対して、少年のように目を輝かせて延々と車の魅力についての講釈を始める。(出たわ、オタク……)
 こういういわゆる男のロマンを女性が理解できないのは万国もとい、異世界でも共通なようで、その後車内では喜々として話すビクトールとその話を冷めた様子で聞くエリーサの姿があった。
 





 






次回はここでどうしても入れておきたい小ネタを入れておきます。

この人がいなかったら、この物語は生まれていなかった? そんな「彼」の後日談、結構シリアスです。
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genre : 小説・文学

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