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役者が揃った-帰ってきた道の先には……29

 やがて、長い昏睡状態がとけたことになっている俺と、逆にぶっ倒れた宮本とで、やってきた医者やら看護師やらは騒然となった。
 倒れている宮本はもちろんのこと、俺の状態まで検査される。ビクトールは、
『たぶん、身体は調べられると思いますので、形だけ付けておきますね』
と、傷(本人がいないので、よく保って一週間くらいだろうと言っていたが)を魔法で作り出した。こんなもんが作れんなら、張りぼてじゃなくって本物の車も作れそうなもんだ。あんなポンコツよりもっとマシな奴をさ。ま、全く同じものしか作れないかもしれない。俺はオラトリオだっけ? あの世界にあのポンコツと同じ車がぞろぞろと並んでいる姿を想像して、笑うのを堪えたら、痛みを堪えたのと間違われて、
「痛みますか?」
と看護師に言われたんで、
「あ、ちょっと」
と痛がるフリをしなきゃならなかった。ビクトールにあっちに飛ばされてなきゃ、生きてないのかもしんないけど、何だかな。
 そして、いつの間にか完治してる俺と、病院で寝てるだけなのにあり得ないほど疲労してる宮本に医者は首をひねりまくっていた。
 理由を知っていた俺は内心ビクビクもんだったが、日本の医療機関にその真相が分かる訳きゃない。結局その晩熱を出した宮本は、どこかが炎症を起こしているのだろういうことで、抗生物質を点滴されている。
 本当ならガザの実があれば一番いいんだろうが、よもや俺は宮本がこっちに帰って来てまで大魔法を使うなんて思わなかったから、エリーサに残ってんならくれとも言わなかったしな。
 翌日、三時の面会時間を待ちかねたようにエリーサがやってきた。いや、正確に言えば絵梨紗。二人は俺が隣にいることなんてものともせず、
「ビク、大丈夫? お姉ちゃまにビクがお熱出したって聞いて、あたし心配で」
「大丈夫、心配しなくていいよ。ちょっとね……慣れないことしただけだから」
それに対して、宮本はさすがに魔法を使ったともいえず、そう答える。
「ホントに?」
「うん、ホントに大丈夫。それに、エリサちゃんがきてくれたから、すごく元気出ちゃった。ありがと」
ってな具合に、いちゃついてる。
 ま、俺と宮本と薫のドッペルがいたんだから、エリーサのドッペル?(絵梨紗のドッペルがエリーサが正解か、まぁどっちでもいいが)もいても別におかしかないが、こいつらいつの間にこんなラブラブモードに発展してんだ? 俺なんか薫にキスして殴られて、そこから何も話進んでねぇのに……

-なんか先越された気分だ。
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