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Turning Point 8

 翌週、私たちは息子たち二人も連れて教会に行った。拓也のクラブで使うシューズを道中、靴の量販店で買うためだ。どんどん大きくなる彼の靴は、本人が一緒に行って買わないと心配で、本当は前日買うはずだったのだ。しかし、拓也は友達と約束していてとっとと遊びに行ってしまった。
「足痛いんでしょ? なら早く買わないと、足の形まで悪くなっちゃうでしょ」
と、渋る拓也を有無を言わせずに連れていこうとすると、
「拓兄いくの? いいな、僕も行きたい」
と、健斗は自分から一緒に行きたがった。でも、その理由は分かっている。
「健斗、明日行ってももう飯は出ないぞ」
「えーつ、ご飯ないの? 父さんたちだけずるいな」
やっぱり。篤志は食いしん坊の健斗にわざと愛餐会の話をしたのだ。
 まぁいいか、小学生の健斗一人だけ置いて行くのは不安だし、一緒に行けば……それくらいの気持ちだった。そして、母子室にいれば同年代の子どもが他にいるだろうし、まぁ、馴染めなくても携帯ゲームでも持たせておけば何とかなるだろうと。
 ところが、(つい一月ほど前に新しいバージョンが出たばかりだったこともあって)健斗と同じゲームを持ってきている信者の子弟がいて、大盛り上がりで通信対戦やらキャラクター交換をして、短時間の間にすっかり仲良くなってしまった。そして、
「ねぇねぇ、僕来週から子ども礼拝にも出たい」
と言い出す始末だ。大人の礼拝なら10時半でいいが、子ども礼拝からになると、9時半までに来ないといけない。なんだか休みが一日なくなった気分だけれど、子どもだからその内飽きるだろうし。
 それで、私は健斗と一緒に子供向けの聖書の話を聞くことになった。
 一方、いやいや行ったはずの拓也は、青年の人にバンドをやらないかと誘われてまんざらでもない様子。ちゃっかりとその人にギターを教えてもらう約束まで取り付けていた。
 その上、拓也はあの明日美さんにほのかな想いまで抱くようになって(さすが親子というべきなのか)、率先して行きたがるようになった。
「全てが導きの中にあるのよ」
後日その話を聞いた博美さんは(さすがに拓也が娘さんに恋心を抱いてますとは言えなかったけれど)そう言った。「そう言えば冴ちゃんが始めて来た週の聖書の架所は「コヘレトの手紙」だったよね。【全ては時にかなって美しい】神様はその時にご計画を示してくださってたんだよね」
と言って、ちょっぴりその目を潤ませた。 

 
  
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