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切り取られた青空-いと-23

病院?病院って…!まさか…子供?!私は突然の香織の言葉の意味を中々理解できなかった。

「検査キットでは陽性でした。」
私はそう話す香織を、香織のお腹をまじまじと見た。本当に私の子供が彼女のお腹に私のこどもが?!私を受け継いだ命が今まさに育っている!それはものすごい感動の波となって私に押し寄せた。しかし、私はにわかに素直にはなれなかった。それで、私は少し怒ったような口調で言った。
「エルちゃん?」
「はい。」
「まったく、君って人は!無茶なことばかりするんだね。どうしてそんな大事な時に電車に乗ろうなんて考えるの!どうして僕をそっちに呼びつけなかった!疲れなかった?」
「その点は、ネットで安定期を調べてそれまで待ってましたけど…えっ?!一緒に行ってくれるんですか?」
彼女は最初怒られていると思ったようだが、私が病院に一緒に行くつもりだと気付いて、表情がぱっと華やいだ。
「一緒に行くも何も、僕の子どもなんでしょ。」
怒った顔の演技ももうそこで限界だったし、私は今度は笑顔になって彼女にこう言った。
「じゃぁ、僕の言うべきことは1つしかないよ。香織さん、僕に是非責任を取らせてくださいってね。」

そして、私がプロポーズめいた台詞を口にした次の瞬間、香織ははらはらと涙を流してその場に座り込んでしまった。私は慌てて彼女に手を貸して立たせた。
「冷やしちゃいけないよ、立って。さ、うちに帰ろう。」
彼女は嬉しそうに頷いた。


「電話で言ってくれれば、僕が行くのに。僕は聞いても行かないと思った?」
「好きでもない女から子供ができたなんて言ってきたら普通迷惑でしょ?私は一人ででも産むつもりだったんですけど、あの時子どものことも言ってらしたし、もしかしたら喜んでもらえるかもしれないって…賭けでした。」
…ああ、香織はかりんのことをまだ好きだと思っているんだ…
「もう彼女のことはなんとも思ってないよ。今はその…君の方が…こんな優柔不断な男は嫌い…かな。」
そこで、私は正直に自分の心変わりを話した。
しかしその後、その一言でさらに泣き出してしまった彼女に、私はただうろたえるしかなかった。
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theme : 自作小説
genre : 小説・文学

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