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道の先には……12

 僕は指をこきこき鳴らしながら笑みを浮かべていた。でも、魔法を使おうとした僕は急にめまいがして目の前が真っ白になった。
 次に目覚めた時、僕はちゃんと宿屋のベッドに寝かされていた。
「目、覚めたか。急に目を回すから心配したぞ。マシューが言うには、魔力の使い過ぎだそうだ。初心者が時空系の停止魔法なんつー上級魔法をいきなり複数にかけるなんぞ、今まで聞いたことがないってよ」
そうか、MP切れって訳か。元々ほとんどMP自体が少ないのだろうし、
「あ、ありがとうございます。ちゃんと運んでくれたんですね」
「感謝してくれよ、マシューはあんな図体してるのに、実はちっとも力がないしで、結局俺が一人でここまで運んだんだからな。それにしても、おまえ重いぞ。抱き上げた時、腰が折れるかと思った」
「すいません、重くって。でも、僕は先輩がいつも抱いているような、女の人みたいに軽くはないですよ。なんせ男ですから」
『男』というワードに力を込めて僕が言う。
「うそうそ、重かなかったよ。ははは、魔女発言をまだ根に持ってんのかお前」
「当たり前でしょ? それよりマシューは?」
そう言えばマシューがいない。マシューが居たら、『また俺の分からない言葉で二人こそこそしゃべってる』と拗ねられかねないほど、日本語で会話している。
「あ、さっきなんかぼそぼそと訳の分からないことをつぶやきながら出かけるって言って出てったが」
 そんなことを話していると、マシューが戻ってきた。
【ビク、気が付いたか】
【うん、たった今】
【ほい、コレ】
マシューはそう言うと、真っ赤な実を僕の手の上に乗せた。
【何なのコレ?】
【これは、ガザの実だ。魔力の回復に効果がある。食え】
【買ったの?】
【いや、そこの森で取ってきた】
【わざわざ取ってきてくれたの? うわぁ、ありがとう】
【あ、いや、礼なんかいい】
僕が、お礼を言うと、マシューは赤い顔をしてもじもじしている。
【何? 僕何か変なこと言った?】
「おい宮本、お前がそんな殺傷能力のある笑顔なんかしてやるからだ。しまいに押し倒されるぞ」
それを見ていた先輩が、ぶっと吹き出しながらそう言った。うー、何考えてんだか、この先輩は。
 でも、真っ赤な顔をしているマシューのこと、ちょっとかわいいとか思ったりして……

 僕、ちょっとヤバいかもしれない。




 
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