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道の先には…… 11

【ここまでくりゃもう大丈夫だろう、ふえぇ、助かった】
しばらく走ったところでマシューがそう言ったので、先輩は車を停めた。
【それにしてもビク、お前すごいな。いきなり魔法を使いこなすか?】
【えへへ、あれは何でもいいから相手の動きを止められたらって思ってページを開いたら、たまたま停止魔法のページだったってだけです。偶然ですよ】
ビクと呼ばれるのは幾分不満だけど、褒められるのはなんだか悪い気はしない。そしたら、隣に座っていた先輩が
僕の髪をわしっと掴んで
「いい気になるんじゃねぇ」
と言ったので、僕はふくれっ面で先輩をにらんだ。
「大体、俺に命令するなんざ、100年早いんだ。ヘタレ宮本のクセに」
「でも、あの時には敵の動きを止めなきゃ……」
「だからって、できるかどうかも判んない魔法で乗り切りろうと思う奴があるか。まったく、寿命が縮まるかと思ったぞ」
先輩はそう言いながら、髪を掴んだままあらっぽく僕の頭をなで続ける。ああそうか、先輩心配してくれてんだ。
「先輩、ありがと」
「ま……解ればいいんだ、解れば」
その時、マシューがうん、と一つ大きな咳払いをして、
【俺に判る言葉でしゃべってもらねぇかな。どうもさっきから自分が邪魔者みたいな気がして、しょうがない】
と憮然とした表情でそう言った。
【邪魔者って……ただ、いきなり魔法を使ったのを叱られているだけです】
【コータロが怒ってる? 言葉が解らない俺からすれば、見つめあって愛を語り合っている様にしか見えなかったぞ】
【マシュー、気色悪いこというな! 何が悲しくて男に愛を語らなきゃならん】
それは、こっちの台詞!
【いや、愛があれば性別だって乗り越えられるのかなと……】
【マシュー!】
ぼそっと小声でそう言ったマシューを僕はキッと睨んで、パラパラと『魔道書』のページをめくる。
【さぁ、どれにしようかな】
その言葉に、マシューはもちろん先輩まで蒼くなる。
「おい、止めろ宮本。こんなとこで魔法なんか発動したら、このポンコツが爆発しちまう!」
【えっ、それがどうしたの? どうせポンコツでしょ?】
それに対して僕は笑顔でそう返しながら手を胸の前に繰り出す。その仕草を見て、先輩とマシューは同時に叫んだ。
【ひえーっ、魔女様お助けを!!】

……だから、魔女じゃないってば!!
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