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道の先には…… 10

 僕たちが走り出した途端、慌てて追いかけてきた一団があった。総勢10名ほどか、さっきの商人が差し向けた者だろう。目的はたぶんあのチ○ッカマンだ。先輩が一人で取りに行ったのを見て、まだ隠し持っていると思ったに違いない。確かに希少価値と言えばそうかもしれないけど、なんだかなぁ。
 そんなに足は遅い方じゃないはずだけど、彼らは普段車なんか乗らずに生活してるんだろうから、かなり早くて少しずつ間合いを詰められている気がする。このままじゃ、車に乗って発進するためのタイムロスで追いつかれてしまう。何か彼らの足を止める方法は?
 その時僕が小脇に抱えている本がきらりと光った気がした。『君、持ち主を選ぶんだよね。僕を持ち主だと思ってくれているなら、助けてくれない?』と僕は本に囁きかけると、走るのを止め、追っ手の方に向き直ると『魔道書』をばっと開いて、そのページを見る。やった! 停止魔法だ!!
<汝の影よ、その大地に貼り付け! STOP!!>と唱えて、彼らをじっと見据えた。追っ手はまるで『だるまさんがころんだ』で鬼に見られた時のようにぴたりとその場で動きを止めた。
「宮本何をしている。早くこっちに来い!」
その様子に、先輩が慌ててそう叫ぶ。
「だ、ダメです。僕の今の集中力では、一瞬でも眼を離したらそこで術は切れます。だから、先輩が車を取ってきてここまで回してください」
「お、おう分かった。待ってろ」
先輩は僕のその言葉にそう言って、マシューに車に向かうように促した。そして車に乗り込むと、先輩は旋回しながら僕の前にピタリと車をつけた。その間約20秒。僕が眼を離すとすぐ、金縛りが解けた追っ手が慌ててまた走ってきたけど、僕が乗り込むのがわずかに早かった。先輩は僕が乗ったのを確認するとドアを閉める前にアクセルを全開で踏み込んで……一気にリルムの町を後にした。
 
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