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別れ-切り取られた青空-いと-17

別れ


私の中に広がった言いようのない不安が現実のものとなるのに、そう時間はかからなかった。

私たちが逢った日から4日後、かりんからのメールはなかった。更新もされてはいなかったし、私は瞳ちゃんのこともあったから、看病疲れでダウンしてるのかとも思ったが、何かよくない胸騒ぎを抑えることができなかった。

そして翌日、私は帰宅後いつもなら帰宅を知らせるメールを彼女に入れてから更新を見るのだが、その日はメールフォームではなく、彼女のブログから覗いた。そしていきなり目に飛び込んできたのが-彼女のブログ閉鎖のお知らせという記事だった。

程なくして、彼女のほうから別れたいという旨のメールがきた。夫の浮気が勘違いであったこと。私の許に来る事を真剣に考えたが、どうしても自分には家庭は壊せないこと-彼女と夫の欠片は隙間だらけだけれど、それを子供たちがうまくつないで今の形になっているのだと気づいたからと…

何故だ!そんなこと最初からわかってたことじゃないか。私は握りこぶしを机に打ちつけながらそう思った。それを越えられるほど愛してはいなかったのか?なら、最初から気のあるそぶりなんかしなければ良いんだ!!と。

私は初めて彼女の携帯に直接電話を入れた。
「もしもし、かりんちゃん?」
彼女は声で私だとすぐに判って、声を潜めながら、
「待って…駐車場まで行くわ。」
と言った。
「君はそうやって最後まで家族に隠し通そうとする訳だ。まぁ…いいけどね。」

私のそんな皮肉めいた言葉に、彼女は無言のまま駐車場を目指しているようだった。
ドアを開ける音、走って階段を下りる音、そしてキーレスの音…車に乗ったのを音で確認して、私は続けた。
「どういうことか説明してくれるかな。あんなメールじゃ僕は納得できない。」
「ごめんなさい、うまく言葉にならなくて…」
「だってそうだろ、結局旦那にかまってもらえなかった分の遊びだった訳?!旦那が戻ってきたら何事もなかったようにしれっと元の鞘に納まればそれで良いって。」
「それは違うわ!」
彼女は悲鳴にも似た叫び声を上げた。
「一体、どう違うの…同じことだよ。」
結局同じじゃないか…
「ごめんなさい、そうなるかもしれない。でも、私だけなら間違いなくあなたのところに行ったわ。だけど…子どもたちにはパパはあの人だから…」
「そんなの最初からわかってたはずだろ!後悔はないって言ったじゃないか!!」
「恨んでくれてもいいわ、憎んでもらってもいい。もう、決めたの。」
「勝手だ、勝手すぎる!!」
「本当にごめんなさい、今はそれしか言えない…」

そこで通話が途切れた。私はもう一度電話してみたが、彼女はでなかった。一度切ってもう一度かけると、彼女は電源まで切ってしまったらしく、『電波の届かないところにあるか電源が入っていない可能性があります』という電話会社のお決まりのインフォメーションの声が流れるだけだった。

私は携帯を床に放り投げて、しばらくこぶしを握ったまま呆然としていた。
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