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Love Grace 13

「そんなんであたしは消えないよ。」
明らかにあたしに向かって言ったであろう言葉は、涙声だった。
「だって、あたしは恵実と“一つ”だから……」
「そう、でも折角“お外”に出てきても、ずっと熱出して寝込んでたのは辛かったね」
「ううん、嬉しかったよ、それも」
続いて言ったお母さんに、愛実はそう返した。
熱を出して寝込んだのがなんで嬉しいの? あ、お母さんに優しくしてもらえるか……そう思ったあたしは、愛実の次の言葉に思わず息を呑んだ。
「だって、痛いのや辛いのは生きてる証拠でしょ? だから、この三日間、あたし嬉しくてしょうがなかった」
愛実は真顔でそう返したのだ。そんな愛実をお母さんは次の瞬間、ギュッと抱き締めてていた。
「マナちゃん、じゃぁ、この感触も忘れないでいて……」
「ママ、ありがと……忘れないよ。でも、あたし、いくね……もうそろそろタイムリミットだから……ホントにありがと……」
お母さんの胸に抱かれている愛実の声はだんだんと細くなっていく。
「マナちゃん? マナちゃん! 愛実!!」
何度かお母さんが愛実を揺すって呼びかけたのは聞こえたけど、愛実は意識を手離したのだろう。あたしの眼の前も真っ白になった。
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theme : オリジナル小説
genre : 小説・文学

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