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Love Grace 6

 あたしは隆一に愛実の事を説明した。
「へぇ、そんなことがあるんだな」
「ちゃんと生まれてくるまで、多胎児って大変らしいよ。だから最近の不妊治療では戻す卵子の数を極力減らす様にしてるんだって」
「ま、それだけ精度が上がったからそれでも大丈夫だってことなんだろうな。にしても相変わらず、どーでも良いネタだけは知ってるよな、メグミ」
 実はこれもお母さんの受け売り。お母さんは普段からこういう妙な情報を喜々として垂れ流している。
「死んだ奴に勝てないって気持ちは解からなくはないけど、生きてるもんが絶対に負けないってことだってあると思うぞ。うだうだ考えてないで言ってみ? 
それにさ、早く言ってくんないと、こっちにも都合があんだよ。それとなく『結婚したい奴がいる』ってったらさ、お袋舞い上がっちゃって、うるさいんだよ。一刻も早く連れて来いって言ってるし、来たら最後、具体的な式の日取りとか話す気満々みたいだからな。そうなるとおまえんちには完全事後報告になっちゃうぞ。それでいいのか?」
「うん……良くないかも」
お母さんはそれでも大丈夫だと思うけど、さすがにお父さんはお味噌にされたってずっと拗ねそうだ。

 隆一に背中を押される形で、あたしはその日お母さんに隆一と結婚したいと言った。お母さんは、
「おお、やっと重い腰を上げた訳ね、お二人さん。さてと、あとはお父さんだけど……ま、これは一発隆ちゃんにかましてもらうのが一番良いかな」
と予想通り即答に近い形で賛成してくれた。
「ねぇ、良いの?」
「良いのって何が?」
「隆一、家業継ぐからあたしもそんなに帰ってあげられないよ」
 そう、隆一のお母さんがこの結婚に対して色めき立つのも、昔ながらの職人の家に嫁いでくるというからだ。
「何言ってんの、外国に嫁に行かれるよりずっと帰って来れるでしょ? それにね、おかあさんはメグちゃんが生まれた時から覚悟してたわよ。ウチは婿養子を取れるような家でもないじゃない」
「うん……」
「それと、お父さんもお母さんもまだまだ老後の面倒を看てもらうような年じゃないんだけど? お母さんはもう一花も二花も咲かせようと思ってんだけどな。年寄り扱いしないで頂戴」
それに対してお母さんはそう言ってまたパソコンに向かった。
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genre : 小説・文学

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