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赤い涙(改稿バージョン)4

  教室に着いた昂は、後の扉を開け、
「遅れてすいませんでした。」
と自分の席に急いだ。クラスメートもちらりと彼を見ただけで、誰も声をかける者はない。しかし、“声”が昂の心に充満する。
(疲れた顔しとる。こいつ遅まで勉強しとったんやろな。でないとあんな成績取られへんもんな。)
(こっちも負けてられへん)
みなポーカーフェイスのまま、心の中では闘志をむき出しにしているのだ。遅れてきたおかげで一斉に自分に向けられた意識は、今朝ほどからの少々能力を使いすぎて弱ってしまっている彼のシールドを簡単に破壊してしまった。
「ぐっ…」
昂はその大きな負の感情の塊に、吐き気を催した。
「根元、大丈夫か?」
「大したことないです。」
教師の言葉に、昂は机で自分の体を支え、そう答えた。
「大したことないって、真っ青やないか」
「いいえ、大丈夫です」
そう、こうやって注目を一身に集めていることがそもそもの原因なのだから。通常通り授業を始めてくれて、自分への注目がなくなれば、自然に治る。
「大丈夫って顔やないに。保健係、根元を保健室に」
その声に、保健係の竹下が挙手して立ち上がった。
(めんどいなぁ、根元も朝っぱらからそんな具合悪いんやったら、出て来んと家で寝とったらええやろな。)
竹下からはそんな、そんな“声”が聞こえた。昂はそんな竹下に軽く手で座るように促すと。
「保健室くらい、一人で行けますから」
と言うと、さっと一人教室を出た。
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