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30歳年下のライバル-交響楽(シンフォニー)6

30歳年下のライバル


純輝は、年子で第3子大洋(たいよう)が生まれて、久美子やその母がそちらに手を取られてしまったということもあって、さくらが面倒みる比率が高かったということもあると思うが、私が彼に初めて会った4歳半の頃にはすっかりさくらっ子とでも言うような感じだった。

何より…幼いその時でさえ、高広の当時の写真と並べてみると一瞬見紛うくらい、純輝の容姿は高広に似ていた。
そんな彼の事を祖父母が『生まれ変わり』のように接するのも道理だし、さくらにとっても一番思い入れのある子どもとなるのは当然だろう。

純輝にとって私は、『大切なものを奪っていった憎い男』だった。初対面の日、私は純輝に子どもとも思えない目で睨まれた。
「はじめまして、純輝君。」
そしてそう言ってあいさつした私を彼はシカトした。
「ゴメン、松野さん。この子お姉ちゃん命だから…コラ、純輝!挨拶くらいしなさい。」
「ヤダ…」
母親に挨拶を促された少年は、小声でそれを拒否した。そして、唾を呑み私を睨み上げると、
「知らねぇよ。」
と吐き捨てた。
「純輝!」
「オレ、こんな奴知らねぇ!!」
純輝はもう一度そう言うと、ぷいっと横を向いてそのまま駆け出して行った。
「あれ?あの子オレなんて言わなかったのにな…それにしてもあの言い方、お兄ちゃんにそっくり。」
「そうそう、ムリに肩肘張ってるとこなんてね。」
首を傾げながら言う久美子に、笑いながらさくらが相槌を打った。(生まれ変わりなんてものが本当にあるのだろうか。)私は彼女らの会話を聞きながらそんなことを考えていた。
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