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埋火7

「あんなものない方がせいせいするはずなのにね…いざ遅れたりとんだりしたら何かさみしいのよ。それに、大幅なダイエットをすると更年期も早く来るらしいのよね。ま、あのままデブでいたりなんかしたら、死ねばまだいいけど、動けなくなって修司に面倒かけるのも嫌なんだけどね。なんかさぁ…いつまでも、女でいたいじゃない?」
そう言って笑った加奈子さんの目尻に、私は深い皺を見つけてドキッとした。

「亮平とのことは私自身もこれで良かったんだって思ってるのよ。もし修司が千夏さんを選んで私が岐阜に走っていたとしても、私じゃぁ、あの後亮平の子供なんて産んで上げられなかっただろうし、縦しんばどっちかでも連れて行くようなことになったら、彼、私の子供に気を遣って自分の子は持たないと言いかねない。若い…あ、エルちゃんって亮平より一回り下なのよ。若い、独身だったエルちゃんだからこそ亮平は自分の血を分けた子どもを持てたんだもの。
でもね…それでも寂しいの…本当だったら、そこは私の居場所なんだぞって、言いたくなる自分がいる…」
そして、加奈子さんは立ち上がると、
「若い未来ちゃんに聞かせる話じゃなかったわね。でも私、だから未来ちゃんに後悔してもらいたくなかったの。女にとって自分の子供は特別だから…苦労はすると思うけど、双子ちゃん手離しちゃだめよ。じゃぁ、お休み…」
と言って、軽く手を振ると、明日香の部屋へと入って行った。加奈子さんが来ると言うので、明日香は友達の家(実は秀一郎のマンション)に泊まりに行っていた。

私はしばらく開かれたままの【カンナ】ちゃんの顔を見ながら、加奈子さんはその顔に亮平さんとエルさんの笑顔を透かして見ていたのだなと思った。
ありがとう…加奈子さん、あなたが守ってくれたこの命手離したりしません。
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genre : 小説・文学

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