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HANABI17

「でも、私の…何を助けようって言うの?」
もう一人の姫が自分だと聞いたメグはそう言って首をかしげた。
「解んない。でも、一之助の持ってる時間じゃきっとそれは足りなかったんだ。だから、俺のとこに来たんだ。俺にそれを引き継いでもらうためにな。」
「引き継ぐ?」
俺にも、どうしたらメグが助かるかなんて分からなかったけど、俺は俺が出来る事をしようと思っていた。
「なぁ、俺たち付き合わねぇか。」
「本山さんに頼まれたから付き合うの?なら…ヤダな。」
俺がコクると、メグはそう言って瞬殺した。
「そっか…ヤならしょうがねぇか。」
何でもないふりして、俺は返したけど、実際はかなり凹んでいた。結構一大決心して言ったから、俺。ホントの事を言うと、俺はメグの事を小学生のころから好きだった。で、この際だからって思ったんだが、他人の尻馬に乗るなんてやっぱダメか…そう思ったその時…
「義務なんかで付き合って欲しくないわ。だって私…マジで圭治のこと…好きだもん。義務で一緒にいてくれるなんて思ったら、辛すぎるよ。」
そういきなりメグにコクられて、かぁっと体が熱くなった。
「メグ…義務なんかじゃねぇよ。俺がそうしたいんだ。俺もその…メグのこと前から…な。」
俺はそう言って、メグを自分に引き寄せて抱きしめた。なんて言うと余裕こいてるように聞こえるかもしれないが、もう心臓は口から出そうだったし、足はガタガタしてた。
「ホントに?…じゃぁ、付き合う…」
メグはそう言って泣きながら俺の胸に頭を付けた。

一之助、後は引き受けたぞ。

ところが、俺たちが付き合い始めてしばらくして、メグの親父さんがアメリカに転勤することになった。親父さんはメグにどうせなら留学するつもりで一緒に来いと言った。メグは散々迷った末、その父親の提案を聞き入れてアメリカに旅立った。
それでも、俺たちは手紙とスカイプで付き合いを続け、8年後戻ってきたメグとその2年後に結婚した。
たぶん、一之助とのことがなければ、メグとは違う高校に行っていた俺は、メグがアメリカに旅立ったことも知らず、別々の人生を歩んでいただろう。あいつの事を助けるつもりで、結局俺たちが助けられていたんだと今になって思う。



‐2025年、夏…‐

庭でもうすぐ4歳になる娘の泣き声がした。
「どうした?アミ。」
「一之助がひっぱるぅ。」
「そりゃ、アミが危ないことするからだろ?」
「アミちゃん危なくないもん!」
すると、アミは頬を膨らませて、そう言った。けどお前、この前も一人でいなくなったばかりだろ。
「一之助、このおてんば姫のお守は大変だな。いつもありがとうな。」
俺がそう一之助に言うと、一之助は満足げに、
「ワン!」
と一声吠えた。

                        -完-
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