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HANABI12

食事の間中一之助はずっと聞き役に回って笑っていた。案外言ってることが解んなかっただけなのかもしんないけど、下手なことを言われるより俺には精神的に良かった。そしたら、
「この人お笑い芸人なんでしょ?どうしてこんなに無口なの?」
って雅美が余計なこと言いやがる。けど、
「お笑いってのはな、人間観察が大切なんだぞ。普段からの観察が芸につながるんだ、自分が話してばかりじゃ観察できんだろ。」
って、父さんがフォローしてくれたのにはマジビックリした。
「腕のある芸人の方が、オフでは根暗なんだよ。」
って、俺がそれに畳みかける。
「じゃぁ、お兄ちゃんには無理だね。」
と雅美は言った。どーいう意味だよっ!俺、芸人になる気なんてハナからねぇし。…


食事が終って、昼も入ったからいらないと言い張る一之助を無理やり一緒に風呂に入れた。そいで一之助が、
「一日に2度も湯あみするなどと、殿でもやらん贅沢なことを、拙者にはできん!」
って言った時には、家族全員ウケた。一之助は大マジなんだけど、ネタにしか見えなかった。言った時には苦し紛れだったけど、このまま帰れなくても、お前仕事できるぞ。
「助かったよ、黙って食ってくれたお陰でばれなかった。」
俺の部屋に戻った後、俺はそう言って一之助を労った。
「当たり前じゃ、昼は甘味じゃからまだしも、拙者食事中に口を聞くような下品なことは出来ぬ。」
あ、黙ってたってそう言うことだったの。ま、何にしても結果オーライ。
「しかし、それも楽しいもんじゃな。姫様もここに居れば、さぞ喜ばれたろうて…」
でも、お姫ちゃんがいたら、お前そもそもここに居ないだろーが。でも、俺もお姫ちゃんも入れて飯食ってみたいとホントに思った。
「ああ、だから、絶対見つけような。じゃぁ、消すぞ。」
そう言うと俺は電気を消して、自分のベッドに横になった。一之助には下の床に布団が敷いてあった。一之助はそこに膝を抱えて坐ったままでいる。
「明日も、探さなきゃならないんだろ。寝ろよ。」
「圭治は気にするな。戦で陣を張っている時は大抵この姿勢じゃ。慣れておる。」
「ここは合戦場じゃないじゃん。」
一之助にそう言われて、俺はくすっと笑ってそう答えた。棗球にぼんやりと見える一之助の瞳はこの部屋を映していない。そうか…今の一之助にとっては、この平和な現代だって城じゃなきゃ戦場なのかもしれないと思った。お姫様を見つけないことには、終わらない戦…
けど俺、今日はいろんなことがありすぎてへとへとだから。気にしない訳じゃねぇけど、寝るわ…おやすみ。
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