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再び桜花笑う季18

「どうって…その、ただの友達ですよ。」
「三輪の事どう思ってるの?」
いきなりストレートにさくらとの関係を問い質した由美に、私はそう答えた。
「呆れた!まだそんなちんたらしたこと言ってる訳?」
すると由美は私の答えにそう返した。
「ちんたらって何ですか。」
私はその言い草にムッとした。患者として病院ではお世話になった関係だが、確か年齢は私より2~3歳下だったと記憶している。それに今、私は彼女の病院の患者ではない。そんな由美がため口で何を意見しようというのだ。
「ちんたらはちんたらよ。あなたたち、出会ってもう5年も経ったんでしょ?」
そんな私の思いに気付かないで由美は続けた。
「時間がどれだけ経とうと、友達はそれ以上でもそれ以下でもない、違いますか?!少なくとも彼女はそう思ってると思いますよ。」
そうだ、私がいくら彼女の事を想ってもきっとその思いは届かない。それを一番じりじりと実感しているのはこの私自身だ。他人にそれをとやかく言われたくはない。
「でもそれ、三輪に確かめた?」
「いいえ、でも確かめなくたって分りますよ。彼女はあのあと職場に復帰したとき、『私は高広と結婚したつもりでいる』と言ったんです。私にだって、翔子や穂波がいる!それがどうして恋愛関係に発展するんです!!」
私はこの間から自身に言い続けている言葉をそのまま由美に投げかけた。しかし、由美は怯まなかった。
「高広君も奥様ももうとっくに亡くなっているんでしょ、ならいいじゃない。」
「翔子だって穂波だって、もちろん高広君だって私や彼女の心の中で生きているんだ!あなたに何が解かるって言う!そんな御託は聞きたくない、もう帰ってくれ!!」
私は座っていた前のテーブルをバシンと叩いてそう言い放った。そして由美は、
「何よ、この解からず屋の鈍感男!ええ、帰りますよ、言われなくたって帰ります!!」
という台詞を吐いて、さっさと私の家を後にした。
由美が帰った後、私はため息を吐き小声で言った。
「穂波、これで良いんだよな。パパがママ以外の女の人となんか結婚したら、穂波は嫌だよな。」と…

だが、その約一ヶ月後…突然由美から、着信があった。
「松野さん、大変なの!テレビ…そうテレビつけてみて!」
私が出た途端、由美は焦った口調でそう言った。そこで、私はテレビのリモコンのスイッチを押した。テレビからは列車の脱線事故の臨時ニュースが映し出されていた。
「その電車に三輪乗ってたのよ!今市民病院にいるって電話があって…」
さくらが事故に?!思いがけない由美からの連絡に、私は思わずそのまま外へとかけだしていた。
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genre : 小説・文学

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