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通夜-切り取られた青空-いと-3

通夜


事件性がなかったためテラさんは意外と早くかえってきた。

私はテラさんが死んで初めて、彼がかつて結婚していたことを知った。高校生になる娘さんまでいるらしいが、26歳で私が入社した頃には彼は既に独りになっていた。

「俺には食いもんさえあればいいのさ。」
その言葉は私が考えていた以上に重いものだったのかもしれない。

仕事を終えて通夜に参列した。血を分けた娘さんのためにその場にいたのであろう、決して目立たぬように隅にひっそりとたたずんでいた彼のかつての奥さんが、私を見たときの目が忘れられない。

こっそりと俊樹に、彼女がテラさんの元奥さんであることを教えられて彼女を見た時、偶然彼女と目が合った。彼女は驚いたような顔をしてから、私に深々と頭を下げた。たぶん、私の中にテラさんと同じ毛色みたいなものを感じたのだろう。そして何とも悲しい目をして私を見た。

2人がどんな理由で道を違たのかは知る由もないが、その目が私には
『あなたは同じ道を歩まないで欲しい』と言ってるように思えてならなかった。
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theme : 自作小説
genre : 小説・文学

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