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第二部 marine side 14

【お帰り、ミク】
【ただいま】
私にお帰りのキスをするジェラールに、私も首筋にキスを落として応えた。
【両親を一度になくしてしまうなんて、辛かったね。大変だったろ。】
【ううん、ずっと離れてたから現実味なくてね…それに、大変なことはみんな明日香に任せちゃったから。】
【子供たちとも会ったの】
それから彼は遠慮がちに私にそう聞いた。
【ええ、立派に憎まれ口を叩けるようになってたわ。私、嫌いだってはっきり言われた。】
【そうか…テオと同い年だったっけ?でも、嫌われたって言う割には嬉しそうじゃないか。】
【嫌いだって言われた後、産んでくれてありがとうって…】
【そりゃ、やられたな。】
ジェラールはそれを聞いて笑った。
【ミク、良い子たちだね。】
【そう、とっても良い子たちよ。でも、私じゃあの子たちをあんな風に育てられなかったわ。妹たちのおかげ。】
【そうか、そんな良い子を振り切って君はここに戻ってきてくれた訳か。私はね、もうミクが戻ってこないんじゃないかと思ってた。】
【どうして?両親がいなくなった今、私はもうここしか戻る所はないわ。それとも私はここにいちゃダメなの?】
私がそう言うと、ジェラールは、
【まさか?!その反対だよ。だから、君にこれを…】
と、言って照れながら私に一枚の書類を取り出して渡した。その書類の-結婚証明書の申請-の文字がみるみる涙で歪んでいく。
【ホントに…私なんかで良いの?】
【当たり前じゃないか。実を言うとね、ミクが日本から帰ってなかなか戻ってこないから、アンに責められてたんだ。『ママンは私たちのベビーシッター?いい加減きちんとしてなかったから、ママンはダディの許に戻ってこないのよ。』ってね。】
【そうなの?私はそんなつもりで、日本にいた訳じゃないんだけど。】
アンヌも私の事情を知ってるはずなんだから、これはたぶん、煮え切らない父親にわざと発破をかけていただけなのだろう。わたしは、いかにもアンヌらしいと思った。
【だから…改めて言っておくよ。私は子供のためじゃなく、私のためにミク…君が必要だ。これからも一緒にいてくれるかい。】
【もちろんよ!というより、私がみんなと一緒に居させて、お願いします】
ジェラールは私の返事を聞くと、片手に私の荷物を持ち、反対の方で私の肩を抱いて…私たちは歩き出した。
-私たちのFuture、明日にむかって-

そして、その週が明けた日曜日、私とジェラールは子供たちや親しい人の前で、永遠の愛を誓い合った。
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theme : 自作連載小説
genre : 小説・文学

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