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Future-chiffon side 12

10年目の真実(chiffon side)


あの後、お義母様は戸田さんたちの名前を私が知っていたことを何も聞いてはこなかった。たぶん、あの後話題になってただろうに。

結婚して半年が過ぎたころ、妊娠していることが分かった。しかも、双子。
「双子を妊娠してるからって、3人分食べなくていいのよ。それより、早産になることが多いからくれぐれも無理しないようにね。」
私が双子を妊娠していることを知って、清華のお兄ちゃんのお嫁さん、乃笑留さんが妊娠中の食生活のアドバイスをしてくれた。乃笑留さんは病院の管理栄養士をしている。
「ホントに今の若いお母さんって、何考えてるか分からない人、多いんだもん。あ、結城さんがそうだとは言わないのよ。」
乃笑留さんだってまだまだ若いのに、ため息をつきながらそう言った。
「ちゃんと『朝ご飯食べたよ』って報告受けて、よく聞くとスナック菓子だったりね。そんなのがザラだから…」
いくら何でもお菓子を主食にはしないけど、私。でも、お世辞にも良い食生活だとは言えないかも。」
「ま、悪阻で食嗜好が変わるのは事実だけど、自分の欲求に任せてケーキばかり食べてたりとかね。ホント、指導のし甲斐があるってものなのよ。」
「そうなんですか。」
「妊娠ってことの意味を知らないのかな。命を何だと思ってるんだって説教したくなるのをこらえるのに必死にならなきゃならないの。」
小柄でお人形さんみたいな彼女の、オバサンチックな発言に、私は笑いを堪えるのに必死だった…あの一言を聞くまでは。
「知らないうちに妊娠して、流産までしているケースまであるんだから。ウチみたいなのが特殊なんだとしてもよ、そこまで呑気になれるもんなのかしらね。」
乃笑留さんのママはある病気を抱えていて、それこそ自分の命を引き替えにしてでもと彼女を産んだのだと、前に清華に聞いたことがある。
それにしても、流産してることに気づかない人もいるの?!私はある1つの憶測が頭を過って固まってしまった。
「流産が分からない人がいるんですか?」
そう彼女に尋ねた声は震えていたかもしれない。
「ただ遅れた生理がかなり重いなとしか思わなかったとすればね…どうしたの?結城さん。」
急に考え込んでしまった私を、乃笑留さんは怪訝そうに見つめた。
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