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marine side 19

私は、ママのようにお酒に強くない。それに普段飲みつけないワインだったから、酔う加減もよくわからなかった。

「克也に二股かけられてたの…しかも、相手は親の決めた婚約者でさ、勝ち目ないのよ。」
酔った勢いでポロっと出てしまった。秀一郎は私のその台詞に黙って目を瞑った。
「でもね、内心良かったかなって思ってる。私、克也に飽きてきてたしね。」
そう言った私の目から涙がこぼれる。内心ホッとしているのは事実だった。秀一郎への想いの隠れ蓑に、言われるまま克也と付き合っただけだから、だけど、嫌いではなかったし、まだ飽きてもいなかった。
「お姉ちゃん、強がらなくていいよ。」
「強がってなんかいないわ。」
私はそう言うと、秀一郎から背を向けた。
「じゃぁ、何で泣いてる訳?自分の泣いてることも否定して、それでもまだ自分の気持ちを押し殺し続ける訳?そんなの身体に良くないよ。思いっきり泣けば?俺の胸で良ければ貸してあげるからさ…ほら。」
すると、秀一郎は私の前に回り込んで、私の頭を彼の胸に押しつけさせた。私の心臓はものすごい音を立てて打ち始めた。
「良いって言ってるでしょ!私、帰る!!」
それを悟られないように、私は慌てて帰ろうとした。帰ろうとしたんだけど、私の身体にワインは思いの外回っていて、すっと立ち上がることができなくてよろけた。
秀一郎は私の正面にいた。だから、私は逃げようとしたのに、逆に思いっきり彼の胸に飛び込む格好になってしまったのだ。
そんな私を秀一郎は強く抱きしめた。
「好きだよ…おねえちゃん。ううん、未来。」
私は驚いて顔を上げた。すぐ近くに秀一郎の顔があった。
「秀…一…郎…」
「俺は未来の事がずっと前から好きだった。もう、あんな奴忘れてしまえよ。俺が、いるよ。」
そう言って、秀一郎は私に口づけた。魂まですべて持っていかれるような激しいものだった。

秀一郎も酔っているだけ-私はそう思いながらも身動きすらもできなかった。私は酔っていなくても秀一郎の事が好きなのだから。

そしてそのまま…私たちはつながり、私は秀一郎の最初の女となってしまった。
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theme : 自作連載小説
genre : 小説・文学

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