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父親(前)-marine side 16

父親(前


そんなこんなで、私は板倉さんちに挨拶した後、バタバタと少ない荷物をパパの車に詰め込むと千葉の自分の家に帰って行った。

「お姉ちゃん、心配したんだから!名古屋っていったい何?!」
家に帰った私は、玄関もそこそこに明日香にそう言って泣かれた。
「秀君もね、ものすごく心配してたんだよっ!」
そして何の防御もしないうちに繰り出された秀一郎の名前に、私は身を強張らせる。
「ゴメン…秀一郎にはあんたから謝っといて。」
「何で?お姉ちゃんが帰って来たって言ったら秀君飛んでくるよ。自分で謝れば?」
私の返事に、明日香はそう呑気に答えた。
「秀一郎はあんたの恋人でしょ?!あんたが言ってよ!私、疲れたの。少し寝かせて。」
私はそう言って自分の部屋-とは言え半分は明日香のでもある部屋の自分のベッドに横になった。

まったく、泣きたいのはこっちの方…

秀一郎と明日香が初めて会ったときから惹かれあっていることは誰の眼からも明らかだった。
だから、私は自分が年上だと言うことを抜きにしても自分の気持ちを押し殺して2人の幸せを願うことができた。
-できたと思っていた。

だけど、克也と彼の婚約者の翠さんとの関係を知って文句を言った私に、克也は冷たく言い放った。
「んなことを言やぁさ、お前だって同じじゃん。お前だって、俺よかあのガキの方が良いくせに。何が好みなのかねぇ、あんな鼻たれが。」
「やめてよ、秀一郎のこと悪く言わないで。」
「ふんっ、まぁいいか。けどよ、あいつ妹のカレシじゃなかったっけ?そんなお前が俺に文句なんか垂れてどういうつもりだよ。」
私はそれに言い返せなかった。私が克也と付き合っていたのは、あの子たちから私の本心を隠すための隠れ蓑だったのだから。

だからといって、私はこのまま克也と馴れ合って、広波克也の「愛人」を続けるつもりはなくなっていた。

克也と別れた私の足はいつしか、最近ヤナのおじさんと志穂さんが再婚したことで一人暮らしを始めた秀一郎のマンションへと向かっていた。
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