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選び取った未来-precious dream 4

選び取った未来


「お義父様、大丈夫ですか。泣いてらっしゃるみたいでしたので…」
僕は倒れて3日間意識がなかったと、未来さんに聞かされた。
「ああ、大丈夫だよ。夢をね…ずっと夢を見ていた。荒唐無稽な夢だったよ。」
「どんな、夢かお聞かせ願えますか?」
「秀一郎が海と私の親友との子供でね、そこにほのかを嫁がせるんだよ。」
本当に秀一郎は彼らの子供ではあるのだが…それは未来さんは知らない事だし、知らせる事もない事だ。
「それでね、私の妻が…誰かと言うと、未来さんのお母様なんだ。」
「ぷっ、それ面白そうですね。そこに私は出てこないんですか?」
それに未来さんは吹き出しながらそう返した。
「ちゃんと出てきてたよ、秀一郎の妹としてね。未来さんじゃなくて美姫(みき)さんって名前になってたが…」

そうだ、健史が海を連れて逃げてくれたら、きっとこんな素敵な現実もあったかもしれない。

「この話、母にしていいですか。」
すると、未来さんがそう言いだしたので、驚いた。
「カンベンして欲しいな。第一、未来さんのお母様に迷惑なんじゃないかな。」
「いいえ、迷惑じゃないですよ。喜びます。だって、初めての顔合わせのとき、父も母も口々に『初めてお会いした気がしない』って言ってましたもの。」
「へぇ、私たちも海とそう言っていたんだよ。そう考えてみると、あなたと秀一郎は結ばれるべくして結ばれたのかも知れないな。」
「そうですね…私たち運命の糸で結ばれてる。だからこんなに幸せなんですね。」
未来さんはしみじみと、深く遠い目をしてそう言った。

いくつもボタンを掛けていくように選び取っていく未来。もしもあの時違うボタンを掛けていたとしたなら…僕たちはどんな違う未来を見ることができたのだろう。
そんなことを考えながら、僕はまた眠りの中に引き込まれていった。

僕が海や健史の所に旅立ったのは、それから1ヶ月後の事だった。
                
                                       -Fin-
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theme : 自作小説
genre : 小説・文学

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