スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

真理子という女性-ハムケ16

真理子と言う女性



しかし、この人、一体何者なんだろう…

嵐のような30歳直前男への“性教育”が終って、いきなり氷河期に放り出してしまった感のある独身2人も何とか現実世界に戻ってきたようだ。
特にアラフィフと言ったって、どっかお花畑に生息していそうなお姉さんには、正直きつい話だったろうなぁ。小久保くんは大丈夫なような気がするけど。なんか遊んでいそうだし。

「ま~りこ~、寂しかった?」
その時、病室にいかにも軽っぽそうな作業着姿のイケメン男性が、やんちゃそうな3~4歳の男の子を連れて、1歳くらいのお人形みたいにかわいい女の子を抱いて入って来た。
「あ、トモミチぃ、待ってたぁ。ちょっと寂しかったよぉ。でもね、今はこのお隣さんが遊んでくれてたから…」
するとさっきとはうって変わってまりこと呼ばれたその女性は、くねくねとブリトークを始めた。
その様はさながら女子高生のようで…どう見ても私と同世代の顔とはマッチしなかった。
それに、今入って来た人が旦那様なら、この人2人の子持ちな訳だし…
「あ、こいつが何かご迷惑おかけしたんじゃないっすか?俺、この佐竹真理子の旦那の佐竹智道って言います。」
遊んでもらったという台詞に反応してか、やっと名前の分かった佐竹真理子さんの旦那様の智道さんは、そう言って頭を下げた。
「いえ…とんでもないです。こちらこそ助けていただいて…」
私がそう言うと、
「そうだよ、夫婦の危機救っちゃったんだから、私。」
と、真理子さんは智道さんに胸を張った。
「バーカ、やっぱまたお節介焼いてんじゃん。ホントすんません。けど、根は悪い奴じゃないんで…」
と、恐縮してまた頭を下げた。
「いや、ホントに助かりました。」
と、大和くんも頭を掻きながら智道さんに頭を下げる。男二人が赤くなりながら頭を下げあっているのを見て、真理子さんはけたけたと笑った。

「あ…あの、私たち帰るわね。」
その時、お姉さんがやっと完全復活してそう言った。
「あ、すいませんでした。悪いですけど、俺今日はこのままここに居ていいですか?」
大和くんが慌ててお姉さんと小久保くんに頭を下げる。
「ええ、もちろんそうして。じゃぁ、小久保君、行きましょう。」
お姉さんに促された小久保くんは、右手を挙げて、
「じゃぁ、お疲れ。社長にお前らのラブラブ振りをよーく伝えとくよ。」
と、ニヤニヤ笑いながら帰っていった。
お姉さんはともかく、あの小久保くんが社長にどんな報告をするのかいまいち不安。そう思って大和くんの方を見ると、彼はなんとも言えないという表情をしていた。
大和くんは何を思ってたんだろうか。

-*-

あの後、千夏ちゃんに聞いた話では、小久保くんは会社に戻った後すぐに社長室に向かったらしい。
「直哉、樹里の具合はどうだった?」
「あ、かなりきてますよ。山口…仕事にはもう復帰できないかも知れませんね。」
「ちょっと、小久保君!」
事情を知っているお姉さんが、思わず声を荒げる中、小久保くんはニヤニヤ笑ってお姉さんに目配せした後、
「八木が心配で山口を出せないと思いますよ。」
と言った。
「樹里、そんなに悪いのか?姉貴…」
「ま、まぁね。今は大事にした方が良いとは思うけど…取り返しのつかないことになっても困るし…」
そして、お姉さんまでぼかして言うもんだから、社長は私を心配して頭を抱えてデスクに突っ伏したという。
「そうですよね、どんどんと大きくなりますからね。心配で出せないですよ。」
続いて小久保くんはそう言ったんだと。
「は?大きくなる?」
社長は意味が解からない。
「ええ、あと半年も経ちゃぁ出てきますけどね。」
「ぷっ、樹里ちゃんおめでたなのよ。」
そこでこらえきれなくなって、笑いながらネタ晴らし。
「そうか、子供…直哉、姉貴…ビックリさせんなよなぁ。」
社長は突っ伏した顔を一旦上げた後、一気に脱力したんだと…

会社でそんなやり取りがされていた事を知ったのは、私が産休に入った後だった。
スポンサーサイト

theme : 自作連載小説
genre : 小説・文学

comment

Secret

プロフィール

こうやまたすく

Author:こうやまたすく
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

カテゴリ

Web page translation

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。