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ハムケ12

「ゴメンね、付き合い長いから忘れちゃってたわ。樹里ちゃんが人妻になってたってこと。」
ベッドの横にはお姉さんが付き添ってくれていた。でも、人妻が何で関係あるんだろう。暑いのは誰だって同じじゃない?首を傾げる私にお姉さんは続けてこう言った。
「仕事はどんなことしてでも振り分けさせるわ。だから、これからは自分の体を優先させてね。もうお母さんなんだから。」
「はい?」
お姉さん、今…何て仰いました??絶対に呼ばれないであろうと思われる呼称で呼ばれた私は、軽くフリーズしていた。
「やっぱり気付いてなかったの?既婚者だって言ったら検査してくれて…樹里ちゃん、おめでただってよ。」
その返事にお姉さんはウインクして答えた。
えっ?えっ?!え~っつ!!マジっすかぁ!!!そのときの私の表情と言えば、たぶん「ムンクの叫び」だったに違いない。
信じらんない。だって…

そりゃ、身に覚えはあるわよ。ないとは言わない。
でもさ、私が大台に乗るまでに籍を入れたいと、大和くんがどんなに頑張ってもダメで、その上、お医者さんにまで「普通じゃムリ」って言われてたんだよ。それが、この忙しい最中にぽっこり出来ちゃうって何?
「そんなにビックリしないでもいいじゃない。後で先生が最終月経を教えて欲しいって。それで正確な週数も出るからって。たぶん、状態から見て3ヶ月半ばってトコかなって言ってらしたけど。」
お姉さんがそう言った。うわっ、ホントに?ホントに私、お母さんになれるの?3ヶ月半ばという具体的な数字が妙にリアルで、そう実感した途端私はぼろぼろと泣き出した。

「樹里、大丈夫か?!」
その時、私が倒れたと連絡を受け、大和くんは出先から血相変えて病室に飛び込んできた。
「うん、大丈夫。」
私はにっこりとしてそう返した。でも、泣いた後だったから、大和くんはムリして笑顔を作ってるんだと思って、逆に心配そうな顔をしてそんな私を見た。
「そうよ、これからは八木君が頑張らなきゃ。樹里ちゃんを労ってあげてね。」
「はい…忙しくてそこまで頭が回んなくって…すいません。」
お姉さんがそう言うと。大和くんは神妙にそう言って頭を下げた。
「よしっ、頑張れ新米パパ。」
それからお姉さんはそう言って大和くんの肩を叩いた。
「パパ?」
お姉さんの言葉に大和くんはものすごくビックリした顔をした。あり得ない!っていうのが満面に出ていた。
「あ、樹里ちゃんが気付いてなかったから、八木君が気付いてる訳ないわね。おめでと、あなたもうすぐお父さんらしいよ。」
「子供…」
「うん、3ヶ月半ばだって…」
恥ずかしくて真っ赤になっていく私とは対照的に、大和くんの顔はどんどんと青ざめていった。そして、少しの沈黙の後、大和くんはこう真顔で言ったのだった。
「樹里、正直に言え。それ、誰の子だ。」
と…
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