スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

噓-Parallel 12




 武田は決まった任地が浜松であることを理由に、小夜子に別れを告げた。少しずつ会う 回数を減らしていたこともあったかどうかは確かはないが、『泣かれたけど、最後は解かってくれましたから』という報告を夏海は受けた。
 だが、そうなっても夏海の状況が変わることはない。彼女に関係を隠さねばならないのは変わらないのだ。そのためには、任地が遠方だったのは却って良かったのかもしれない。東京都内で鉢合わせすることに怯えることなく、自分が浜松に行って会うことができる。
 今度は小夜子の誘いをかわすために、夏海は偽の恋人をでっちあげた。
知人の紹介で知り合った四歳年上のサラリーマン……夏海たちは紹介されたわけではないが、小夜子なしでは知り合っていないのだし、新年度からは武田も社会人。実のところ、夏海との歳の差を上下入れ替えただけのことだ。
 名前も、もっともらしいものを付けることなく、クマさんとニックネームでぼかした。「クマのぬいぐるみみたいなのよ」
とテンションを上げて話す。以前はそんな演技など出来ないと思っていたのに、それを軽々とこなしている自分がいた。傷心の彼女にはそんな話を聞く耳などなかったのだろう、小夜子は次第に仕事の事以外の事を夏海と話さなくなっていった。
スポンサーサイト

theme : 自作連載小説
genre : 小説・文学

comment

Secret

プロフィール

こうやまたすく

Author:こうやまたすく
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

カテゴリ

Web page translation

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。