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絆-満月(フルムーン)に焦がれて21




洋介たちは乃笑留が2歳の時に引越しをして弘毅たちと同じ町に住むことになった。たまたま条件のあうものがそこにあったというだけなのだが、両家の家族ぐるみの付き合いはさらに深まった。まるで、本当の両親の他にもう一組両親ができたかのように、子供たちは親の名前にパパママをつけて、周人は洋介パパサユママ、乃笑留は弘毅パパ圭子ママと呼ぶようになっていった。

そしてそれから1年後弘毅夫妻に第二子清華(さやか)が生まれた。赤ん坊に手が取られる圭子のために、小百合たちは周人を預かることもよくあった。
「ごめんね、ホントどっちの子供だかわかんないわよね。」
圭子がそう言った時、
「いいわよ。ウチの子供みたいなものだと思ってるし。実はね、おケイちゃんから周人くんができたって聞いた時、要らなきゃ私にちょうだいって言おうとしてたのよ。」
小百合は冗談ごかして、そう笑って答えた。
「ああ、あの時…」
弘毅に対して素直になれなかった私を、サユが一緒に泣いて励ましてくれたんだったと、圭子は当時を思い出した。すると小百合は圭子に向ってこう言った。
「ありがとう、おケイちゃんが背中を押してくれなかったら、私乃笑留を産んでなかったと思うの。」
「へっ?」
圭子はその時、小百合のその言葉の意味が理解できなかった。
「何でもないわ…今の話は忘れて。清華ちゃん起きちゃったみたい。」
小百合はそう言うと起きて泣き出した清華を抱き上げてあやし始めた。

「あの時、サユ何言おうとしてたんだろ、分かんないんだよね。」
しかし、そう思いながら昼間の話を夜、弘毅に告げると弘毅の顔がにわかに曇った。
「洋介はああいってたけど、やっぱり、俺らが原因だったんだな…」
つぶやくようにそう言った弘毅の言葉に、圭子は驚いて聞き返した。
「弘毅、あんた何か知ってんの?」
「ああ、洋介には絶対にお前には言うなって口止めされてたんだ。けど、乃笑留もちゃんと生まれてきたんだし、もう時効だよな…」
そして弘毅は圭子に、洋介夫妻が危険をおして乃笑留を儲けたことを説明した。
「ウソ…だからサユあの時泣いてたんだ…弘毅が子供は要らないって言ったらちょうだいって…そう言おうとしてたって…」
話を聞いて、圭子は涙を流した。
「泣くなよ。誰も不幸にはならなかったんだから、いいじゃん。」
「そうかもしんないけど…なんかあの時のサユの気持ちを考えたら胸、痛くて…私。」
弘毅は圭子の頭を優しく叩きながら、
「それで、乃笑留が生まれてきたんだから。おまえは相談して良かったんだよ。そう、今が良きゃそれで良いんだよ。」
と言った。





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