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満月(フルムーン)に焦がれて12

「けどさ、やり方は確かに間違ってるかもしれねぇけどよ、これは俺と圭子の問題だろ?何でお前に殴られる(しかも泣きながらな)理由があるんだよ。今度はお前が説明しろよ。」
「桜木…お前、圭子さんに絶対に言わないと約束できるか?」
もともと険しかった今日の洋介の表情がさらに険しくなる。弘毅は思わず息を呑んだ。
「圭子といい…つくづく俺って軽いと思われてんのかな。お前がそう言うんだったら、言わねぇよ。」
「小百合は子供を産めない。」
そして続いて吐かれた洋介の言葉に弘毅は一瞬自分の耳を疑った。
「今、何て?!」
「小百合は子供を産めないんだ。できないわけじゃない、実は妊娠は2回している。どちらも流産した。」
「3度目の正直って言葉もあるだろ?」
2回位の流産は他にも聞く話じゃないか…
「病気が流産の原因なんだ。できても流産しやすい。運よく育っても今度は妊娠中毒症になる確率が非常に高くて、母子共に命の危険が伴うと医者に言われた。」
「そんな…バカな…ウソだろ?」
「ウソや冗談でこんなことを俺が言うと思うか。」
弘毅は勢いよく首を横に振った。
「ゴメン…俺の悪い頭じゃ何て言ったらいいかわかんないけど。」
弘毅は急に冷たい水を浴びせられたような気がした。一気に萎れてしまった弘毅を見て洋介は、
「俺も殴って悪かったな。俺たちにとってタイミングが悪かっただけで、お前たちそれで前に進み出せるんなら喜ばしいことなのにな。今が一番大事な時期だから、お前圭子さんをくれぐれも大事にしろよ。」
と言って、この日初めて笑顔を見せた。
「ああ、もちろん。それと、俺たちがお前らのためにできることがあったらどんどんと言ってくれよ。こんな俺は何にもできないだろうけど、圭子ならいろいろしてやれると思うし。」
弘毅は、彼らのために何もしてやれないであろう自分が腹立たしかった。
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