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集合-切り取られた青空10

集合


「ママ~お土産わすれないでね。」

私の両親になついている瞳は一緒に行きたいとか言って困らせるかと思っていたが、あっけないほどすんなりと送り出してくれた。どうもあの子の好きなゲームを父が買ってやると約束したらしい。その笑顔を見ると尚更後ろめたい気分で私は実家を出た。

後ろめたいまま歩くごとに弾んでいく心。複雑な気持ちのまま、私は東京駅を目指した。

亮平は岐阜だし、大阪に茨城、千葉など…ほとんどが他県から来るのなら、「ベタに東京駅でもいいんじゃない?!」みたいなことになり、正午に八重洲口に集合になったのだ。参加条件はMAXの写真を持参すること。

だからと言って、デブの頃の写真を振り回して同じような人を探すなんてできないし。とにかく写真を手に握り締めたまま人の波に目を凝らしていた。

しばらくして背後から肩を叩かれた。
「かりんさんですか?」
びっくりして振り向くとセミロングのぽっちゃりとした若い女性が笑っていた。
「ええ、そうですけど」
「良かった~!!私エルですwwこんな人の多いところでみんな見つかるのか、だんだん心配になってきてたとこでした。とにかく1人ゲットだわ。」
エルちゃんは小さくガッツポーズをしてみせた。

エルちゃんは茨城に住む28歳の独身の女の子。今日の参加者の中では最年少だ。MAXは96kg。ダイエット期間が一番短いので、まだ当時72kgぐらいあったが、身長も165cmあるせいか、思ったほど圧迫感はないような気がした。

それから程なくして大阪からきたTomさんが合流した。Tomさんも3桁経験者で、33歳。長女のエリーちゃん(これは本名なのかハンドルネームなのか判らないけれど)が生まれたとき、こんなかわいい子を残して早死にできないとダイエットを決意したって言う子煩悩パパ。今は1歳になったエリーちゃんをダンベル代わりにエクササイズしてるらしい。
「もっと簡単に見つかるかと思たけど、みんな頑張ってるから時間かかるなぁ~。なんや、肝心のエイプリルさんが見つかってないん?なんなら、<歓迎!元デブご一行様>みたいなノボリでも作って振ったらよかったかな。」
さすが関西人、考えることがお笑い。
「そんなことしたら恥ずかしくて死んじゃいますよ。このデブ写真握って立ってるのでもいっぱいいっぱいなのに…」
エルちゃんがそれを真に受けて怒っていた。

「すいません、遅くなりました。あまり来ないと迷ったみたいです。はじめまして、エイプリルです。」
振り返って、一瞬時間が止まった。この人がエイプリル…亮平。決してイケメンではないけれど、彼はまっすぐに…私を見ていた。体が急激に熱くなるのがわかる。

「さすがやなぁ。たしか、3日前に目標達成したんでしたよね。ホンマ普通やから、1対1やったら見つけられへんかったんちゃうかな。」
「なんとか間に合いましたよ。これで心置きなく祝杯が挙げられますから。」

「はじめまして…かりんです」
「はじめましてエルです」
「男1人やから僕はわかりますよね。Tomです。あとは渚さんでしたよね。一番近い人が一番遅いってホントですね。」

そして5分後東京在住の渚さんが合流して私たちは予約しお店に場所を移した。





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