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満月(フルムーン)に焦がれて8

洋介にしてみれば、病気があろうがなかろうが夫婦のスタンスに変わりなどないし、妻を愛しているという意思表示の意味があるということは小百合にも解っていた。
しかし、子供好きの彼が当然のように避妊措置を講じてことに臨む事に、どうしようもないやるせなさを感じずにはおれなかった。
彼の欲望のはけ口にしかなれない自分がうとましかった。

加えて、彼女を悩ませたもの-それは周りの女たち、特に年配の女性たちだった。
彼女らは半ば挨拶代わりのように結婚後1年以上たった彼らに『子供はまだか?』という質問を浴びせてくる。まるで判で押した様にだ。
「まだなんですよ、欲しいんですけど。」
と彼女は笑顔を繕ってかろうじて返事を紡ぎだすが、その度彼女心は胸を切り裂かれる痛みを味わうのだ。

そして、孫を見る楽しみを奪ってしまうことも怖くて、病気のことはお互いの両親にもそのことを言えずにいたし、彼女はその痛みを誰に相談することもできずにいた。
誰かに聞いてほしい…彼女の心はそう悲鳴を上げていた。

そんなある夜遅く、彼女に一本の電話が入った。圭子からだった。彼女は泣きながらこう言った。
「ねぇ、サユどうしよう…私…できちゃったの…」
それは圭子が弘毅の子供を妊娠したというものだった。
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