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それから…-遠い旋律28

それから…


高広が何かを感じていたのかどうかはわからない。
でも、指輪はちゃんとしたもので、サイズ直しもできた。
私はそれを左手の薬指に納めた。
それを見つけたノエは
「止めてよ、何だか切なくなっちゃうじゃない。」
と、涙目で言ったけど、こうしてるとずっと一緒にいられるような感じがするから…

職場は…整形外科の外来への異動を命じられた。体の負担はもちろん、命の瀬戸際にいる人たちから遠ざけるための配慮だったと、今は感謝している。

また、あれから私は高広のいなくなった彼の家に時々遊びに行くようになった。
私をお父さんもお母さんも本当の娘のようにかわいがってくれる。

「なんだか、高広が女の子になって帰ってきたみたいよ。本当にあなたたちって似てるわ。」
と高広のお母さんが言った。
「それじゃ、私ってニューハーフみたい…って言うか、高広がなよったくなって帰ってくるなんて想像できないです。あいつはすごく男らしかったから。」
って返した。そしたら、
「あら、そうだったからしら。どちらかというと童顔でかわいい感じじゃなかった?」
ってお母さんがと言ったので、私はちょっと睨んで、
「とにかく、あいつは世界一男らしくて、かっこよくて、ステキなんです。それに、あいつの気にしてたこと言っちゃダメです。」
と言い返した。
「ますます、あなたたち似てるわよ。今の睨み方なんて、もうそっくり。それと…なんだか、そんなに褒められると親としては複雑だわ。」

私がそんな風に臆面もなく高広のことをほめてしまうのは、やっぱり後悔しているからかもしれない。もっと早くにお互いの気持ちを確かめ合っていれば、私たちはそれこそ高広が病気になるもっと以前に1つのなれていたのかもしれないのにと、ふと思ってしまうからかもしれない。

そうして時は過ぎていく…

そして、高広が亡くなって6年の月日が流れた。


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