スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

生還-遠い旋律19

生還


「さくら!気がついたのね…良かった!!」
少しして私のお母さんが病室に入ってきた。疲れた顔をしていた。
「このまま目を覚まさないのかと思って心配したわ…」
私にはそんなに時間が経った感じはしなかったんだけど、実際には私は極度に衰弱していたらしく、私自身も3日間くらい生死の境を彷徨っていたらしかった。
もう5日間も眠り続けていたとお母さんから聞かされた。
あいつ、私をお葬式に出さないようにしたのかも…私はそう思った。

それから、お母さんは言いにくそうに私に言った。
「さくら…坪内君はもう…」
「分かってるよ、最後一緒にいたから。」
お母さんは一瞬で青ざめた。
「さくら、あなた…バカなことは考えないでよ。」
お母さんは私が彼を追いかけるのではないかと本気で心配している様子だった。
「大丈夫よ、心配しないで。そんなの高広が許してくれる訳ないから。」
「坪内さんも、そのことをひどく心配されてたわ。」
うん、そのことも見て分かってる。私はそう言おうとして止めた。それを言ったらお母さんはたぶんもっと心配するだけだ。
「本当に大丈夫だから…安心して。」
「そう…じゃぁ、意識が戻ったって坪内さんに知らせてくるわ。」
「ありがと…元気になったら、真っ先に必ず伺いますって言っといて。」
「ええ、分かったわ。」
お母さんは高広の家に電話するために、病室を出て行った。

お母さんが病室のドアを閉めた途端、私の目から涙が堰を切ったように流れ出した。
「やっぱり誰に何と言われたって一緒にいってしまいたかった。どうして連れて行ってくれなかったのよ。」
私はベッドに寝たまま天井のはるか上に向かってそうつぶやいた。

高広のバカ…やっぱり一人はヤダよ…




スポンサーサイト

theme : 自作小説
genre : 小説・文学

comment

Secret

プロフィール

こうやまたすく

Author:こうやまたすく
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

カテゴリ

Web page translation

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。