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そこにしか咲かない花

大変長らくご無沙汰しておりました。

この半月ばかりの間、入院していた父の容態悪化、そして死去。それから夫の出向騒ぎと立て続けにいろんな事が起こって全然更新できないでいました。

それも粗方おちついたところで今日、日ラブの結果発表。はい、一次落ちです。

元々あったところに訂正稿を入れるのと、完全削除して新たに連載するのとを検討しています。そんなに変わってはいないのですが、毎回若干の変更はあるので全部新たにコピペするのも変わらないと思うからです。

ただ、今「バニシング・ポイント」を抱えているので、原稿が混ざるから元のところに入れた方が良いのかな。

それと、「なろう」では一から連載したいんですよ。私自身はできる限り一気読みなんですが、連載にした方が皆さん楽しみにしてくださるみたいなので。それをどーんと他で一気に読める場所を作りたくない、それが一番の理由。

あ、そうか書き換えた分だけ下書き外せばいいのかぁ……って書きながら考える癖、止めなさいっちゅーの。

今のところ「なろう」では遅ればせながら「満月」を連載しているので、並行するかどうかも検討中。「パラレル」だけに“並行”したほうがいいですか。

今回落ちたことは全くショックではないと言えばウソですが、ダイレクトに言葉かけを戴くココ、嫌いじゃありません。
そう、コブクロじゃないですが「そこにしか咲かない花」で充分私は幸せなんです。

こんなところでひっそりと咲く花ですが、よろしければ引き続き愛でていただければ幸いです。

    
                                         神山 備
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バニシング・ポイント9

 確かに衛は博美に告白するつもりでいた。しかし、それは順子の言うような結婚を視野に入れているようなものではなかった。いろいろな娘とつきあって、その内一人を選んでいく。別段、誰しもそうしていることだ。
 だが博美の世界は狭い。
 小児病棟の仲間たちの幾人かはもう彼の地に旅立ち、残った者は今も病と向き合っている。そんな中に、ひとり元気になった姿をひけらかすのがつらくなったのかもしれない。今は、定期検診の際に見舞うくらいしか行っていないという。
 また、今年になってやっと卒業した高校も通信制で、ほとんど同世代の友人らしい物はいない。
 一番つきあいらしい物があるのが教会の関係なのだが、入退院を繰り返していた博美はあまり教会にも顔を出してはおらず、青年の集会に顔を出すようになったのはごく最近のことだ。だから、裕美にとって男性と言えば幼なじみの10軒向こうに住む衛ということになるのだ。

 衛が眠れない夜を過ごした後、翌日順子が涙声ででんわをかけてきた。
「衛君、ゴメンね。昨日のことは忘れて」
「何で」
「うん……あの後曳津先生に叱られたの」
いきなりの前言撤回に困惑する衛に順子はそう答えた。曳津先生と言うのは、順子の婚約者曳津信輔の事だ。信輔が牧会する教会の信者に配慮してなのか、順子は結婚が決まっても夫になる信輔の事をそう呼ぶ。
『順子さんはほんまによう祈ってこのこと言うたん? どんなに好き同士でも、御心やなかったら人は結ばれへん。そうなったとき傷つくのは博美ちゃんの方や』って。
そして、衛には言わなかったが、信輔はこう続けたのだ。
『衛君は教会のことどう思てんのん。そら、博美ちゃんは受洗はしてないけど。僕が見てても信仰はしっかりしてる。順子さんは【牛とロバを同じ軛につけ】ようとしてへんか?』
『そんなの、祈って言ったに決まってるでしょ!?それに衛君が一生信仰を持たないって誰が決めたの?』
確かに信仰を同じくしない夫婦は波風が立ったとき脆く崩れやすいのも事実だが、逆に未信者の配偶者を何年も祈って導いた信者の話もあるのも事実だ。
(誰が救われるかなんて人間にはわからないじゃないの!)とまだ若い順子は反発してしまった。
『そらそうやけどさ……ま、また電話するわ』
それに対して、信輔はそっけなっくそう言うと電話を切った。
 そして、冷静になってみて順子は信輔の立場からはそういう意見が出るのは当然だと思った。牧師としては、実るかどうかも分からない救霊より、未信者との結婚で離れていくことの心配をするものだ。
(私は牧師夫人にホントになれるんだろうか)
順子もまた眠れぬ夜を過ごしてとりあえず、前言を撤回しようと衛に電話をしたのだった。
「とにかく忘れて……」
順子はかすれた声で、再びそう言った。

theme : オリジナル小説
genre : 小説・文学

バニシング・ポイント8

「ねぇ、ヒロに生きてる実感味合わせてやってほしいの。このままだと、あの子生きているのに心だけ天国にいる気がする」
心だけ天国だなんて大げさなと衛は思ったが、順子はこう続けた。
「ヒロ、こ「ねぇ、ヒロに生きてる実感味合わせてやってほしいの。このままだと、あの子生きているのに心だけ天国にいる気がする」
心だけ天国だなんて大げさなと衛は思ったが、順子はこう続けた。
「ヒロ、この間なんて言ったと思う? 『私は今、与生を生きてる』よ。『余ってるんじゃなくて与えられてるんだ』とは言ってたけど、新成人の言う事じゃないでしょ?」
博美の与生発言はちらっと衛も聞いたことがあった。しかし博美はいかにも楽しそうな口調でそう言ったので、そんなもんかなと特に気にとめてはいなかったのだ。そう思って改めて考えると若さの欠片もない発言だ。

「衛君にその気がないのなら、教団のなかで急いで捜すつもりだから。時間がないの。私、来年大阪に行く予定なの」
 
 順子はつい先日、自分の信仰する教団の牧師との結婚を決めた。

 信者は様々な相談を牧師に持ちかけるが、若い女性には男性である牧師には打ち明けにくいといった問題もあったりする。
 例えば恋の悩みなどはその最たる例だろう。そういう場合、牧師の妻がそれを代わりに聞くことが多い。この場合、若い方が相手の女性信者は心を開いて相談してくれる。
 だから、彼女のいないまま献身してしまった若い牧師は年配の牧師から『結婚していなければ伝道は続かない』と、在学中に見合いを勧められたりすることがその教団では多かった。
 順子たちの場合、教団の若者向け集会で知り合った所謂恋愛結婚の部類なのだが、結婚したい旨を相手の牧師と共に彼女の所属する教会の牧師に告げた時、
『牧師の婚約者となれば、より牧師の同労者として深く実践的な教理を学ぶのが望ましい』
と真っ先に大学に入る事を勧められたのだ。
 もちろん、それに対して双方とも信者である両親の反対はなかった。
 かくして、順子は交際相手の地元でもある大阪のある大学を受けることになった。事情が事情であるし、親の代からの熱心な信者ともなれば、まず不合格になることはないだろう。

「未だ大学生の衛君にこんな事言っても迷惑かも知れない。でも私はヒロに命ある限り“生きて”ほしいの。でなきゃ、あの子が命を与えられた本当の意味がなくなると思うから」

 順子のそんな申し出に衛は即答することはできなかった。
「ゴメン、順子姉ちゃんちょっと考えさせてもらっていいかな」
「うん、即答なんてしてもらおうと思ってないから。じゃぁ、帰るね」

 順子を玄関で見送ると、衛は台所に入り、冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出して大きめのコップに注ぎ、一気に呷った。
……コツン……
飲み終わったコップを模造大理石の調理台に置いた時、衛の手はかすかに震えていた。





前世の異物!?

実は先日、実家の押し入れの奥底から昔の作品一覧が出てきました。作品そのものを墓地送りにしてしまう代わりに、メモったモノと思われます。

折も折、他の方も同じ目に遭遇されたらしく、記事にされていたので、まねっこたすくちゃんはすぐ真似したくなりました。


記念すべき処女作は病気ネタ。一旦主人公の一年分の日記を三ヶ月で書き上げてから書くという入れ込みよう。でも、この日記作戦は性格設定という意味に於いても構成を考えるという意味に於いても良かったと自分では思っています。
それでもたかだか中学生が考える構成ですから底が知れてますけど。

それはなんと続編付きで卒業するまで書いてます。つまり中学時代はそれしか書いてない。その頃は詩やエッセイとかをいっぱい書いていて、小説は遅々として
進んでいなかったみたいです。

こういうのはさらっと流してしまいましょう。

第二作目というか高校生第一作は、タイトル「戦争ごっこ」。

戦争ごっこが大好きだった二人の少年。ずっと一緒にいようねと言っていたのに、一人が親の都合で引っ越しすることになる。

そのことを引っ越すギリギリに知らされたもう一方は、さよならが言えなくてしばらくシカトをするんだけど、引っ越し当日になってやっぱりちゃんとお別れを言わなきゃと思い、いつも使っているモデルガンを持って引っ越しする少年の許に急ぐ。

その時、通りかかった挙動不審の青年とぶつかった少年。その拍子に二挺の拳銃が道に転がった。男は暴力団組員で、たった今他所の組の幹部を撃ってきたばかり。少年はとっさに自分のモノだと思ったものを拾い上げ、引っ越し真っ最中の友人の家に行き、友人に向かって
「いつまでも忘れるなよ」
と引き金を引く。しかし、飛び出てきたのはBB弾ではなく実弾だった……


一見、荒唐無稽な話と思われるかも知れませんが、私の生まれ育った街はあの「代理抗争」と言われるモノの舞台になった場所でもありました。おまけにモデルガンの規制も今ほど厳しくはなく、改造モデルガンのことが問題になり始めてきた時期でもありました。偶然が重なれば起こり得ると当時の私は思っていたようです。

結局、撃たれた少年は死に、撃った少年は思いがけない爆音に聴力を失うという、ものすごく悲惨な物語でした。

……当時の私は、遊びですら争うことが嫌いだったようです。

続けて「過去の恥は書き捨て」いきます……


タイトル「タロットカードに……」

私って本当に三点リーダが好きです。タイトルに冠されている事はさすがに少ないのですが、サブタイトルではかなりついていると思います。

ま、内容は高校生の恋愛話。

主人公は高校二年生の女の子。たまたま入った自宅近くの喫茶店で中学の時の同級生(男の子)を見かける。聞けばそこは彼の伯母さんがやっている店で、手伝っているらしい。

何となくその店の雰囲気が気に入って通っていた主人公は、ひょんな事から同じように来ている高校生のお客さんを持っているタロットカードで占う事になる。(どういう経緯で占いを始めたのか、完全に忘れてます)
で、それがよく当たると言うことが評判になり、店の隅っこに占いコーナーなんて設置してもらったりして……主人公毎日通うことになります。

毎日通う中で、主人公同級生に惚れてしまうのですが、この男、ものすごくイケメンでどの子にも優しい(大体客商売ですから、嫌な顔できないっしょ、ふつう)
自分がどう思われているのか知りたいけど、直接きけなくて、主人公は自分のためにカードを繰ります。
そして結果は最悪……

その後、すごく美人の女の子が現れてすったもんだがあり……

タロットカードって、正逆が運命を分けるので、利き腕側に倒すのがルールなんです。
そして、主人公矯正された左利きで、成長した彼女は自分が左利きであったことを忘れていて、占いの結果が真逆だったというオチでした。

最後は初夏の雨音を聞きながら相手の男の子がコクってハッピーエンド。

クリスチャンなりたてのたすくは、占いに騙されるなと言いたかっただけなのかも……

              
 過去プロットはつづくよ~どこまでもぉ……ってほど数はありませんが、続きです。
で、次の作品が……エグい。

タイトル「しおれた花」

主人公優子はごく普通の専業主婦だったが、夫淳が仕事中機械に右手を挟まれて動かなくなることによって人生が一変する。
労災がおりたものの、動かない手では今までの仕事ができずに仕事を辞めて酒浸りの淳。

駆け落ち同然で淳と結婚した優子は実家に頼ることもできず、自分から働き出す。

で、雇ってくれた会社の社長、明彦が今まで仕事一筋だった堅物で、この健気な人妻に恋をする。で、よしゃ良いのに優子に迫っちゃうんだな。

優子も駆け落ち同然で結婚した位だし、普通ならブレないんだけど、自暴自棄でぐちゃぐちゃの淳にだんだん疲れてきて、つい明彦の誘いに乗っちゃう。

それを知り、暴力をふるいながら優子を抱く淳。そんな昔と全く変わってしまった夫にほとほと疲れて、優子は翌日荷物をまとめて明彦の許に走る。

しばらくして優子は妊娠していると分かる。時期的にどちらの子か分からないし、よしんば明彦の子で離婚が成立しても、法律上は淳の子になる。

産むかどうかを悩む優子に、明彦は
「どっちにせよ、その子は君の子に間違いないんだ。僕に君の子を育てさせてほしい」
と言い、優子は男の子を産む。

しかし、その子は日に日に淳に似てくる。優子は自分の罪の意識に耐えきれなくなり、次第にその心を閉ざしていく……

二人が幸せだった頃、部屋に飾った思い出の花。ラストシーンでは淳の方はすでにドライフラワー化したその花を、優子は異様に執着するので明彦が定期的に入れ替えるその花を、よどんだ眼で見つめるところで終わります。


とまぁ、今の私がこのプロットをこうして書いたとしても何ら違和感も不思議もない訳なんですが……

私、前世の異物って言いましたよね。このプロットって言うか、この話を書き上げたのは私が17歳の時……高校三年生になる春休みのことです。
この頃そんな区切りなかったですけど、ばっちりR-18仕様です。

当時の作成メモには、
「家庭科で習った300日法だとかを駆使して書いた」
とありました。

私が「切り取られた青空」をあんな結末にしたのは、書いていてこの話をふと思い出したのもありました。きっと、加奈子もその重圧に耐えることはできないって。加奈子の場合は、心を閉ざさずに逃げるでしょうが……

まぁ、ジャンルに節操ないなぁと思いつつ、今より幅広く書けたんだなぁと逆に感心した次第です。


               


                     

大当たり!! (溶けちゃった……続編)

 お土産

 午後八時、怪我をして入院した義父のために実家の掃除をしてきた妻の二実子を出迎えた。
「ただいま、やっぱり、明雄さんの方が早かったね」
「たいへんだったろ、ごくろうさま」
「ううん、お姉ちゃんも達ちゃんもいたから。はい、お土産」
彼女は、そう言うとスーパーの袋からマルチパックのチョコミントアイスを取り出した。
「どういう風の吹き回しだい? チョコミントだなんて」
チョコミントアイスは私の大好物だが、二実子はいつも『歯磨き粉食べてるみたいで』と言って、私が一緒に出かけてスーパーの買い物カゴに入れない限り、彼女が自主的に買ってきてくれたことなんてなかった代物だ。
「うん? ちょっとね。たまには旦那様孝行しても罰は当たらないかなと思って。でね、私のはこっち」
二実子はそう言うともう一箱取り出した。
「ああ、それ懐かしいな。それを見ると俊樹を思い出すよ」
「俊樹って堀木さん?」
私は二実子の言葉に頷いた。


“あたり”で大当たり

 堀木俊樹。中学・高校を共に過ごしたその男は、陽気で人が良くて、一緒にバカをやると必ず一人だけ捕まるという、ちょっと要領の悪い奴だった。

 夏休みになったばかりのある日のことだった。私たちは野郎ばかりでプールに出かけての帰り、くじ付きのアイスを買って食べながら歩いていた。
「やっぱはずれか……」
「そうそう当たりっこないって」
次々とはずれと書かれた棒が現れる中、最後まで食べていた俊樹がいきなり素っ頓狂な声を上げた。
「当たった!」
その声にみんなが一斉に俊樹の手元を見る。
「どれ、おっ、マジかよぉ。いいなぁ俊樹」
「俺も、もう一本食いてぇなぁ」
「ダメだ、やんねぇぞ!」
慌てて俊樹は手を引っ込めて、
「これは明日食うんだよっ」
と、ご丁寧にアイスを包んでいた紙に棒を包み直して鞄に放り込むと、
「当たった当たった~」
と小躍りして、歩道と車道の境目にある低い縁石に上り、そこを平均台のようにして歩いていった。
 
 たった一本のアイスで……いつもより浮かれていたのかも知れない。たたたっ、と十数歩歩いた後、俊樹はバランスを崩して車道側に倒れた。しかも、そこに運悪くトラックが通りかかり、俊樹はそのままそのトラックに轢かれた。

 一本のアイスの小さな幸せが一瞬にして悲劇に変わった瞬間だった。

 
 私たちは大騒ぎで救急車の手配をし、俊樹を病院に運んだ。

 事故は縁石でバランスを崩して転倒した後だったので、大部分は車体の下の隙間に潜り込んだ格好になり、俊樹は奇跡的にタイヤで轢かれた両足の骨折だけで済んだ。

 それでも全治2ヶ月。俊樹はまだ始まったばかりの夏休みをまるまる棒に振ることになってしまった。

 さぞかし退屈な思いをしているだろうと見舞いに行った私は、病室に入ろうとしたとき、女の子の笑い声を聞いた。そっと覗くと、それは中学3年の時の同級生櫻井智佳子だった。私はその日、病室には入らずそのまま帰った。

 やがて、俊樹は高校卒業後、大学には行かずに就職し、二年後二十歳で智佳子と結婚することになって、私はあのときの野郎たちと共に披露宴に招待された。
 そして、披露宴もたけなわの頃、デザートとして出されたアイスはあの当たりくじ付きのアイスだったのだ。 他の招待客が首をかしげる中、私たちその場にいたメンバーは笑いをこらえるのに必死だった。
 きれいな皿に乗せられたアイスを取り、銀紙をめくって口に放り込む。甘ったるさが口の中に広がる。二人の幸せの味だと思った。

 あのとき俊樹が引いた当たりくじは、アイスだけではなかった。
そう言えば、あの棒には「大当たり!!」と書かれていた様な気がした。


                       -END-

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